池上彰「対数は役に立つ」

理系語録

by 池上 彰(ジャーナリスト)

私がNHK社会部記者として気象庁を担当したとき、地震について猛勉強をしました。地震のエネルギーの大きさを表す単位にマグニチュードというのがありますね。ニュースにも出てくるように、マグニチュードは6から7に1増えるだけでエネルギーは約32倍になります。2増えてマグニチュード8になれば、32の2乗(32×32)でエネルギーは約1000倍です。

なぜ1違っただけでエネルギーが32倍にもなるんだろうと思ったら、対数を使っていることがわかりました。その後、この話を数学者の秋山仁さんに話したら、そもそも対数は船乗りが航路を計算する複雑な方法を簡単な足し算でできてしまうように開発されたというのです。

高校生のときは、対数の勉強など一体何の役に立つんだろうと思いながら数学の授業を受けていましたが、対数を使えば、地震のエネルギーのように小さなエネルギーから非常に大きなエネルギーまで一つの指標で簡単に表せるし、航海にも役立つものとは。それがわかったとたんに、「なんであの時、対数はこんなふうに役に立つんだよって教えてくれなかったのか。それがわかっていれば、もっと興味深く対数を勉強できたのに」と思ったものです。

Reference:池上彰:なぜ人は「学ぶ」のか? 偉人にセレンディピティが起きるワケ

スポンサーリンク

「理系語録」とは

理系語録』では、「理系のキャリアを語録で学ぶ」をコンセプトに、理系に関する言葉や記事、ニュースをご紹介しています。理系のキャリアの魅力を少しでもお伝えできれば幸いです。

理系語録

−−

” There is a light which cannot ever be extinguished. It is inside of you. It is you.

ー Neale Donald Walsch ”
Top Photo By BK, on Flickr

タイトルとURLをコピーしました