「数学って必要?」を検証〜『不等式と領域』編

数学って必要?

不等式と領域の応用としては、線形計画法と呼ばれる方法があります。これは工場などで、設備などの制約条件の下に生産量を最大化させる、といった問題を解くときに使われるものです。(中略)

このような例題を考えてみます。あるケーキ屋さんが製品Aを作るのに必要な小麦粉は200g、生クリームは200mlです。製品Bは小麦粉が300g、生クリームは100mlです。また、小麦粉の在庫は1,900g、生クリームは1,300mlです。製品Aが700円、Bが500円とするとき、AとBをそれぞれ何個作ると売上げが最大になるでしょうか。(中略)

これはかなり単純な問題で、変数が2つしかありません。しかし、現実の問題に用いるためにはもっとたくさんの変数が必要です。そのときは人間が手で解くには問題が煩雑になりすぎるので、計算はコンピュータに任せます。しかし、内部ではこのような計算をしていると知っておくことはとても大切です。

Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127

<解説>

線形計画問題とは、ある制約された領域の中で、目的となる関数の最大値または最小値を求める問題です。

例題の場合、Aをx個、Bをy個作るとすると、x、yは0以上なので、

x≧0

y≧0

小麦粉、生クリームの制約は、それぞれ、

200x+300y≦1900

200x+100y≦1300

になるので、上記の条件を満たしながら、目的となる関数700x+500yを最大にするx、yを求めるわけです。

高校では、座標を用いて手計算する方法を習いますが、実務では扱う変数はたくさんあります。例えば、例題の制約は、材料の在庫だけでしたが、現実には、設備能力や時間、人員、工程、資金など、扱う変数が増えるため、コンピュータを利用して計算します。

その応用分野は広く、例えば、生産計画や、原料購入計画、混合問題、人員配置、輸送計画、在庫計画、スケジューリング、ネットワークフロー、クラス編成、資産運用、エネルギー計画、サプライチェーンなどの幅広い領域で、最適化や意思決定の手段として活用されています(Reference:線形計画法(せんけいけいかくほう)

「数学って必要?」とは

数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。




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