「数学って必要?」を検証〜『証明』編

数学って必要?

証明は数学の命です。大学などの研究機関で数学を研究する専門家は、定理を証明することを仕事にしています。しかし、私のように実務で数学を使う人にとってはあまり意味はありません。なぜなら、数学を「使う」人は既に証明された定理を使うのが仕事だからです。

それではなぜ、中学や高校の数学で証明を扱うのでしょうか。それは数学の証明問題が論理的思考のトレーニングに最適だからです。矛盾や飛躍のない説明を行うためには、数学の証明の練習が最適です。

また、コンピュータは数学の論理で動いています。プログラミングをする際には、数学の証明で身につけた論理展開が役立つことでしょう。

Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127

<解説>

最近、AIや人工知能に関するニュースを目にする機会が増えているのではないでしょうか。AIの台頭で人間の仕事が奪われるという記事(関連記事:岩崎日出俊「AIの台頭で職を失う可能性は、文系のほうが高い」)からも、コンピュータは何でもできるというイメージを持たれている方は多いかもしれません。

しかし、コンピュータは計算機にすぎません。命令すれば、人間の代わりに様々な作業をしてくれますが、命令されたこと以外は何もしません。そのため、コンピュータに作業をさせる場合は、細かく指示を出す必要があります。

その際、「どのような指示を出せば目的を達成できるか」や「どのような順番で作業させれば効率的か」など、目的達成のための作業手順を考える必要があります。これをアルゴリズムといい、アルゴリズムを元にプログラミングは行われます。

アルゴリズムは、企業の競争力と密接に関係しています。例えば、ITの世界では、優秀な人と、そうでない人の生産性は約30倍違うと言われており、トップエンジニアになると報酬が数億円になることもあります(関連記事:松尾豊「ITの世界では優秀な人と、そうでない人で約30倍、生産性が違う」)。

このように、プログラミングを行う上で、アルゴリズムはとても重要です。アルゴリズムを考える際は、筋道が通った思考が必要になるため、証明で身につけた論理的思考力は、アルゴリズムを考える上で非常に有用だといえます。

なお、ITに関する職種としては、一般的に、アルゴリズムを考えるのがSE(システムエンジニア)、プログラムを書くのがPG(プログラマ)になります。

ソフトバンクがSTEM教育(「S=Science:科学」「T=Technology:技術」「E=Engineering:工学」「M=Mathematics:数学)に力を入れていることからも、将来的に、理系教育を受けたIT人材の需要は高まると思います。

関連記事:ソフトバンクが「STEM教育」に参入する狙い–豊富なプログラミング教材で差別化

「数学って必要?」とは

数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。




タイトルとURLをコピーしました