「数学って必要?」を検証〜『三平方の定理』編

数学って必要?

今まで図形の話は、あまり役に立つものではないといってきましたが、この三平方の定理だけは違います。単に三角形の斜辺の長さを求める定理にとどまりません。これは、何かの「長さを求める」ときの基本となる定理ですし、三角関数の基本ともなります。また、ベクトルの大きさや統計の分散、標準偏差を求めるときなど、他分野においても重要な概念となります。(中略)

テレビの画面の大きさは、「○○インチ」といいます。実は、この長さは画面の対角線の長さです。つまり、三平方の定理より、縦と横の長さを2乗して足したものの平方根になります。ですから、4:3画面と16:9画面(より横に長い)では同じインチ数でも、4:3画面のほうが画面の面積は広いです。

Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127

<解説>

本当に、4:3画面のほうが面積は広いのか検証してみます。

4:3画面と16:9画面どちらも100インチ(2540mm)、4:3画面の横の長さをx、縦の長さをy、16:9画面の横の長さをX、縦の長さをYとします。

まず、4:3画面を計算します。

x:y=4:3 ⇔ x=4y/3なので、三平方の定理 x^2+y^2=2540^2に代入すると、x=2033mm、y=1525mmになります。

同様に、16:9画面を計算すると、X:Y=16:9⇔x=16y/9なので、三平方の定理 X^2+Y^2=2540^2に代入すると、X=2215mm、y=1246mmになります。

それぞれの画面の面積をS、S’とすると、S=3,100,325mm^2、S’=2,759,890mm^2となりますので、4:3画面の面積の方が広いことが確認できました。

なお、三平方の定理は、三角関数、ベクトル、統計以外にも、AIやデータサイエンスで不可欠な行列や微積分で必要な概念になりますので、三角形の長さを求める時だけ使うものではない、ということを覚えておいてください。

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「数学って必要?」とは

数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。

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