「数学って必要?」を検証〜『指数』編

数学って必要?

探査機のはやぶさは地球とイトカワ間、往復60億kmを約7年かけて飛行しました。平均速度は秒速何kmになるでしょうか。

 

1年は約31,536,000秒だから、7年は約220,000,000秒です。

 

したがって、6000000000[km]÷ 220000000[秒]となります。

 

これだとゼロの数が多すぎて、混乱するから指数を使います。

 

先ほどより、だいぶすっきりとしていることがわかるでしょう。

 

6.0×10^9 ÷ (2.2×10^8) = 6.0÷2.2×10^(9-8) ≒ 2.7 × 10[km/秒]

 

1秒に27km進むわけですから、私たちの感覚からすると非常に速い速度です。

Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127

<解説>

指数は一言でいうと、大きな数や小さな数を簡単に扱うテクニックです。計算の際も、指数同士の掛け算や割り算を、足し算と引き算で考えることができるという特長があります。

では、なぜ指数を使う必要があるのでしょうか?

それは、この世の中に、0をたくさん使わないと表現できないものがたくさんあるからです。例えば、原子や分子などを扱う化学や物理の世界でよく出てきます。

原子や分子の数を計算する際に使うアボガドロ数は、6の後に0が23個も並ぶ巨大な数です。一方、電子の重さは、小数点の後に0が30個も並ぶとても小さな数ですが、指数を使えば、それぞれ6.0×10^23[個]、10^-30[kg]とシンプルに表すことができます。

なお、物質を原子や分子レベルで制御するナノテクノロジーの「ナノ」というのは、10億分の1という意味で、10^-9[m]になります。

ナノテクノロジーは、半導体などの新デバイスや新素材の開発、DNAの研究などに役立っています。

Reference:文系でも怖くないビジネス数学はたらく数学

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「数学って必要?」とは

数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。

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