「数学って必要?」を検証〜『図形の合同と相似』編

数学って必要?

世界一大きい船の大きさを知っているでしょうか。それはなんと全長450m、幅が60mを超えるといいます。東京タワーの高さが333mですからその1.5倍近い長さになります。

これに対して世界一大きい飛行機の全長は85m程度と、船と比べると小さめにできています。もちろん滑走路を長くしないといけない、などという事情もあるのですが、飛行機には巨大化に向かない物理的な理由があります。

先ほど、体積は相似比の3乗に比例するという話をしました。ここで船の場合には重さは体積に比例し、浮力も体積に比例します。ですから、船を単純に大きくしてやれば必要な浮力が得られるわけです。

一方、飛行機の場合は様子が変わってきます。飛行機も重さは体積に比例しますが、浮力(揚力)は翼の面積に比例するので相似比の2乗でしか大きくなりません。つまり、単純に同じ形で大きさを大きくするだけでは、必要な浮力が得られなくなるのです。

このような理由から、飛行機は船と比べると、本質的に巨大化に向かないといえるのです。

Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127

<解説>

上記をよりイメージしやすくするために、下記の文章をそれぞれ数式化してみます。

”船の場合には重さは体積に比例し、浮力も体積に比例します。ですから、船を単純に大きくしてやれば必要な浮力が得られる”

浮力の数式は、下記になります。

浮力=ρVg ρ:海水の密度、V:船の体積、 g:重力加速度

つまり、浮力と体積は比例の関係にあるので、体積(船の大きさ)が大きくなればなるほど、浮力も大きくなるということがわかります。

”飛行機も重さは体積に比例しますが、浮力(揚力)は翼の面積に比例するので相似比の2乗でしか大きくなりません。つまり、単純に同じ形で大きさを大きくするだけでは、必要な浮力が得られなくなる”

揚力の数式は、下記になります。

L:揚力、ρ:空気の密度、S:翼の表面積、S:飛行機の速度、CL:揚力係数(翼の角度によって変わる数)

浮力の数式と異なり、体積の項はありません。代わりに表面積の項が入っています。つまり、揚力は体積ではなく、表面積に比例するということです。この数式から、飛行機の大きさ(体積)を大きくしただけでは、必要な揚力は得られない、ということがわかります。

このように、数式で考えると定量的に考えることができます。また、ビジネスでも「相似」の考え方が使われていることがお分かり頂けたと思います。

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「数学って必要?」とは

数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。

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