関数とは、ある数を入れると、ある数が出てくる箱のようなものです。そして、この関数を通じて、人は未来を見ています。
たとえば、ハレー彗星を知っているでしょうか。これは約75年おきに地球に接近する彗星で、最近の接近は1986年、次の接近は2061年といわれています。なぜ、こんなことがわかるのでしょうか。それは時間と彗星の位置を表す関数があるからなのです。
このように、未来を予測するため、直接見られないものを見るために関数を使いながら、人類は発展してきました。
Reference:数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127
ビジネスにおいて、関数は未来を予測するために使われます。
例えば、株価の動きを予測できるとしましょう。予測できれば、安い時に株を買って、高い時に売れば儲けることができますよね。実際に、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関には、金融工学と呼ばれる数学的手法を用いて、株価の動きを予測するクオンツと呼ばれる職種があります。
金融以外にも、流通業における商品やサービスの需要予測や、サービス業におけるDMの開封率などマーケティング戦略の効果予測、製造業における不良品割合の予測など、幅広い領域で関数は未来を予測するツールとして使われています。
とはいえ、未来を予測するのは容易なことではありません。しかし、数学を使えばある程度予測することは可能です。だからこそ、企業は数学に抵抗のない理系人材が欲しいのです。
中学や高校では、関数は与えられることが多いですが、ビジネスでは作ることが求められます。とはいえ、中学や高校で習う1次関数や2次関数も、自動車や電気製品を設計する際に使われているのです。
「数学って必要?」とは
「数学って必要?」では、数学が社会に出て役に立つのか、また役に立つのであれば、どのような場面で役に立っているのか、ということを解説しています。「数学って必要だったんだ」と少しでも感じて頂ければ幸いです。